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スペシャルインタビュー
教授 菅原 正
栄養士科 学科長
管理栄養士
日本料理専門調理師
調理技能士
製菓衛生師
目指すは“多様化に応じた指導”のできる栄養士
――この60年で私たちのライフスタイルや食生活は著しく変わりました。現代における理想的な食事やライフスタイルとは、どのようなものでしょうか?
マンガのサザエさんの家庭を見てください。ちゃぶ台を一家で囲んでの食事が理想の姿です。しかし毎食家族揃ってというのは無理でしょうから、せめて夕食だけでも週に1~2回は家族団らんを。レストランで食事するのも良いですし、また家族の人が一緒に食事作りに参加して食事の大切さを学びましょう。
――理想的な食生活を支えるためにどのようなことに留意すればよろしいでしょうか?
初代の校長先生は職員旅行や栄養調査に出かける時、ほうれん草のおひたしを作って来られました。旅先のお弁当の食事は野菜が不足します。そこで1パックに一人分ずつ入れたものを私たちは頂きました。このように外食で不足する食品を家庭の食事で補い、毎日の食事から健康寿命を伸ばすといいですね。
――この60年で栄養学はどのように変化したのでしょうか?
私は昭和22年の戦後生まれです。食糧難で、とりあえずお腹をいっぱいにするのが食事でした。飢えを満たすだけの食事で多くの人が栄養失調になり、昭和27年に栄養改善法が制定され活動が行われてきました。
近年コンビニや外食産業が盛んになり、食生活が欧米化し、高エネルギー、高たんばく質、高脂質の食事にとって変わり、足りない栄養はサプリメントで補うようになりました。飽食の時代に食べ過ぎて病気にならないように、どのような食事をすれば良いのか、栄養過剰摂取による健康障害の立場より予防栄養の時代になってきました。
――これから食生活はどのように変化していくと思われますか?
朝食を食べない小学生が4%、20~30代の男性が20パーセント以上います。食育推進基本計画案では、それぞれゼロ%、15%以下に下げ、栄養の過剰摂取、運動不足による内臓脂肪症候群を国民の80%の人に理解してもらう目標を掲げています。
サプリメントで簡単に栄養を摂ることができますが、過剰摂取による副作用をもたらすこともあり、摂り過ぎを防ぐために食事摂取基準が定められました。ほうれん草やちりめんじゃこを食べ過ぎてもカルシウムの取り過ぎにはなりません。
外食や調理済食品は一般的に味が濃くなっています。「おふくろの味、手作りの料理」の良さが見直され家庭での調理が再認識されています。
――栄養士の仕事は、この60年でどのように変わったのでしょうか? また、これから求められる栄養士とは、どのような栄養士でしょうか?
昭和30~40年代には流しやコンロを積んだ栄養指導車が地域栄養指導で各地を巡回していました。当時は栄養士さん一人がたくさんの人を対象に栄養指導を行っていました。しかし、現在は食生活も多様化し、個人の健康や栄養状態に合わせて指導をしなければなけません。血液・尿検査などの様々なデータを読み取り、それに基づいた食事指導ができることが必要です。
栄養士になるためには食に対して好奇心を持ち、常にアンテナを張り巡らし新しい情報を吸収しなければなりません。職場で適応していくためにも、人とコミュニケーションを取れることも大切です。
――60周年を迎えてのメッセージをお願いいたします。
食の大切さを学び、好ましい食習慣と自らの健康を守ることができる力を身に付けることにより、栄養士としてのスタートが始まります。食は人を良くすると書きます。栄養士、管理栄養士は食のお医者さんです。
60年間で構築してきた多くの貴重な卒業生という財産があります。これをベースにして新しい時代の「食と健康のプロフェッショナル」を育てて参ります。
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